統合失調症とHSPについて~具体的な対策方法~

統合失調症

私は統合失調症と診断されてから約15年、病気と向き合ってきました。

現在は寛解しており、安定して日常生活を過ごすことができています。

みなさんはHSPという言葉をご存じですか?

ここ数年でだいぶ耳にする機会も増えたのではないでしょうか。

“繊細さん”をはじめとするHSPに関連する書籍もたくさん目にするようになりました。

私はHSPという言葉が世に浸透する前からHSPについての関連書籍を読み、当てはまるところがたくさんあると感じていました。

統合失調症患者はHSPの特性に当てはまる人も多いのではないかと思います。

今回は統合失調症とHSPについて書いていきたいと思います。

HSPとは?

HSPとはハイリー・センシティブ・パーソンの頭文字を取った言葉で「視覚や聴覚などの感覚が敏感で、非常に感受性が豊かといった特徴を生得的に持っている人」のことをいいます。元々はアメリカの心理学者であるエレイン・N.アーロン博士が1996年に提唱した言葉ですが、現在は、上記のような人のことを指す言葉として使われることが多いです。

HSPの特徴

HSPの人には、「ものごとを深く考える」、「刺激を受けやすい」、「感情の面で反応しやすく共感しやすい」、「かすかな刺激に対する感受性が強い」という4つの特徴があり、アーロン博士は、この4つの特徴全てに当てはまる人をHSPであると定義しています。HSPの割合は全人口の15~20%と言われているため、約5人に1人がHSPであると考えられています。

自己肯定感が低く他人に共感しやすく疲れやすいという方が多い傾向にあります。

統合失調症とHSP

統合失調症患者はHSPの症状に当てはまる人が多いと思います。

統合失調症の症状の一つに他人との境界線がないように感じるというものがあります。

例えると、普通の一般の人は無意識のうちに多くの情報をフィルターを通して必要な情報だけを認知することができます。

しかし、統合失調症患者はそのフィルターが機能せず、直に多くの情報が入ってくるというような体験をします。

私の場合ですが、例えば会話の際に普通の人はAを話したらAの答えを無意識のうちに返答することができ、会話がきちんと成り立ちます。会話をしていてお互いに心地が良い状態です。

しかし、私の場合、Aに対しA´、A♭、A♯…といくつもの返答が自分の中にあり、会話が瞬時にスムーズにできなかったり、心地よく会話ができなかったりします。不協和音です。絶妙にズレているといった感覚です。それは一見会話が成り立っているように見えても、お互いになんとなく不快な気持ちが残ります。

このように普通の人が無意識のうちに正常に機能している部分が統合失調症の場合はうまく処理することができず、不自然になってしまいます。感覚としてこの世の人間の共通意識からズレてしまっているような感覚です。(これは私の体感としての感想であり、すべての統合失調症患者に必ずしも当てはまるというものではないです。でもわかってくれる人、いますよね?)

私の以上の体感は「生きずらいな」と感じるほんの一部分であって、統合失調症患者の中にはもっといろんな体感を持っている人がいると思います。

感受性が強すぎるあまり、人間の共通感覚からズレてしまうというような感覚が、いわゆる狂気といわれているものではないかと思います。私は「脳のバグ」といった表現がしっくりきています。

その感受性の強さが芸術や音楽の世界でうまく表現できれば社会に受け入れられることはあるかもしれませんが、それはほんの一握りの人のことで、実際には症状にとても苦しんでいます。

統合失調症の症状は人によってさまざまありますが、その中にHSPの気質を持ち合わせるといったことは大いにあると思います。

“繊細さん”の対処法もうまく利用しよう

統合失調症の人でHSPの特性に共感する人は多いと思います。

統合失調症はHSPの範囲内では語られない体感を持っている人も多いとは思いますが、世に出ているHSPの対処法と言われていることをうまく取り入れてみることは統合失調症患者にとっても社会生活を送る上で役に立つと思います。

私が行ってきて効果的だった具体的な対策は主に「物理的に刺激を遮断・避けること」と「吐き出すこと」です。それらをご紹介しましょう。

「刺激から避ける」具体策

  • 耳栓・ノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンを使用する
  • サングラスを使用する
  • 外出時、こまめにトイレにいく(逃げる)
  • 定期的にスマホの電源を切る、SNSから離れる

職場の環境によっては耳栓の使用や、パーテーションなどを使用して刺激を遮断するなどの対策をしていただけることもあるので、提案してみるのもいいと思います。実際に障害者雇用で就職した際も、私はパーテーションを設置していただいていました。

私の場合は外出時によくトイレに立ち寄ります。用を足すことがなくてもトイレに立ち寄るようにしています。

トイレで一人になって気持ちを落ち着かせてからまた外に出ると、これだけでも気分の変化を感じられるので私には合っています。

「吐き出す」具体策

  • 紙とペンで自分の気持ちを書き出す
  • 布団やクッションなどを使って叫ぶ
  • カラオケへ行く
  • 体を動かす、運動をする

共感能力の高いHSPは他者からの影響が大きく、自分自身が揺らぎがちです。

上記に挙げたことは自分の中にたまってしまったエネルギーを吐き出す作業でもあり、自分自身で存在するワークでもあります。

ご自身に合った対処法で吐き出す、表現する(存在する)方法を見つけられるといいと思います。

自身のエネルギーを強くする

少しスピリチュアルな要素もありますが、こういった”他人からの影響を受けやすい”といったことを解決するのは「自分軸に一致し、自身のエネルギーを強くする」といったことでしか根本的な解決法はないのではないかということを最近感じています。

他人からの影響を受けない状態というのは自分自身のエネルギーが本来の形で正常に発せられているときです。

人にはそれぞれ得意不得意、性格などさまざまな性質を持ち合わせていますが、自分が一番自分らしくいられる場所、本来の自分の位置で存在すること、それが自分を守ることでもあり、幸福な人生を送ることにつながるのではないかと感じます。

ものすごく抽象的な表現になってしまいましたが、「エネルギー」の観点でみるとそういうことなのだろうと思います。またエンパスについての記事も書きたいと思います。

まとめ

以上が統合失調症とHSPについてでした。

統合失調症の方でもHSPの対策をうまく活用すると日常生活が送りやすくなることもありますのでぜひご参考にしてみてください。

またエンパスについての記事も今後書いていきたいと思います。そちらもぜひご覧ください。

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