統合失調症の認知機能障害とは?

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統合失調症は、100人に1人がかかるといわれる精神障害です。

三大精神疾患(統合失調症・双極性障害・てんかん)のひとつとされ、決して珍しい病気ではなく誰にでもかかりうる病気です。

幻覚、妄想、思考の混乱、情緒的な引きこもりなど、さまざまな症状があります。

統合失調の症状に認知機能障害というものがあります。

あまり聴き慣れない言葉ですが、この認知機能障害は統合失調症の特徴的な症状・障害のひとつです。

認知の障害は、日常生活での機能、人間関係の維持など社会生活を送るうえで影響を与えます。

今回は、この統合失調症における認知機能障害ついてご紹介します。

認知機能障害の性質

統合失調症における認知機能障害は、さまざまな認知領域に影響を及ぼします。

注意、作業記憶、実行機能、言語学習、視覚学習、社会認知などです。

個人によって重症度や具体的な障害は異なるため症状を一概に言えず、さまざまな症状が絡み合う性質があります。

私の認知機能障害の症状

私は統合失調症の症状が安定していますが、認知機能障害は完全にはなくなっていません。

現在も残っている症状として

・人の話していることが理解できない

・電話対応などのとっさな対応ができない

・記憶力の低下

・会話の行間を理解できない(無言語コミュニケーションが苦手)

・言葉がでてこない、頭が真っ白になる

・説明ができない

これらは特に仕事を行う上で困難を感じる場面があります。

日常生活でも特に人とコミュニケーションをとるうえでもどかしさを感じる場面が多いです。

通院のときは症状をうまく主治医に伝えられなくことがあるので、メモは必須です。

症状を理解して対処法を身につけておくことが大切だと感じています。

認知機能障害の原因

統合失調症における認知機能障害の根本的な原因はまだ明確ではありません。

遺伝、神経発達、環境要因の組み合わせが発症に関係すると考えられています。

統合失調症の患者は、脳構造の変化、特に認知処理に関与する領域での灰白質体積の減少や異常な結合パターンが研究では観察されています。

また、ドーパミンやグルタミン酸などの神経伝達物質の不均衡も認知障害と関連しているとされています。

日常生活への影響

統合失調症における認知機能障害は、日常生活に影響を与えます。

教育・学習、雇用、自立した生活に困難をもたらす場合があります。

持続的な注意、問題解決、情報処理を必要とする場面が困難になりその結果、思考の整理、意思決定の困難、集中力の維持が難しくなります。

これらの認知的な症状は、仕事をするときだけでなく人とコミュニケーションをとり社会参加していくうえで困難を感じることがあります。

無言語の合図を解釈するのが困難になり、他人と共感し、意味のある会話に参加することが難しくなることがあります。

主な治療法

統合失調症における認知機能障害に対する治療は、認知機能に限定したアプローチを行うのではなく、統合失調症の治療(薬物療法や福祉サービスの利用など)を全体的に行っていくうえで、徐々に改善されていくという経過をたどります。

統合失調症の治療の基本である抗精神病薬は、認知症状の緩和に効果がある場合があるといわれていますが人によって効果は異なります。

認知リハビリテーションや心理社会的介入などの療法は、認知機能の改善に効果が期待されます。

福祉サービスの利用などの社会参加により、ソーシャルスキルトレーニング(SST)によって認知能力を向上させることを目指し、心理社会的介入はサポート、教育、認知的な課題への対処策を提供することに焦点を当てています。

認知機能障害研究の将来

統合失調症における認知機能障害の研究は、活発で進化中の分野です。

現在の研究では、グルタミン酸系を標的とした薬物など、認知障害を改善するための潜在的な薬物療法の可能性を調査しています。

さらに、神経画像技術の進歩やバイオマーカーの使用は、認知障害のリスクが高い個人の特定や、個別化された治療戦略の開発に役立つかもしれません。

まとめ

認知機能障害は、統合失調症において特徴的な症状のひとつです。

統合失調症の症状で幻覚・幻聴、気持ちの落ち込みなどは一般的にいわれていますが、この認知機能障害というのも、症状に占める影響は大きいです。

症状の理解や適切な対処法を身につけておくことが大切だと感じています。

まだ未開発な分野でもあるので、新しい治療法の確立など将来に期待できそうです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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