リストカットについて

統合失調症

私は16歳のときに統合失調症と診断されてから約15年病気と向き合ってきました。

現在症状は安定しており、寛解状態で日常生活を普通に過ごすことができています。

私は統合失調症を患いながら長年リストカットによる自傷行為がやめられませんでした。

現在では自傷行為は落ち着いており、たまに衝動にかられることもありますが、自分を傷つけることはほぼなくなりました。

今回はリストカットについて私の経験から当事者の心理、手当ての方法、周りの人の対応方法の提案などを書いていこうと思います。

リストカットとは

リストカットとは、刃物を用いて主に手首を傷つける自傷行為をいう。 リスカと略されることもある。 腕を傷つけるアームカットという言葉や足を傷つけるレッグカットという言葉も存在する。これはアムカ、レグカと略されることがある。

参照:Wikipedia

なぜリストカットをするの?

リストカットは、言語化できない鬱積したストレスの表現方法の一つであるという説がある。

参照:Wikipedia

私が自傷行為を続けてしまった一番の理由はこれにあたります。

原因不明の言葉に表現できない強烈な精神的苦痛を、発散する場所も方法も逃げ場もなかった私は自傷行為をすることで一時的に気持ちを落ち着かせていたように思います。

また「アピール」という目的もあるといわれています。

「誰かの気を惹くために」行う目的です。

私も10代の頃にはこのような意図で自傷行為を行っていた経験があります。

「とにかく自分が辛くて傷ついているんだ」ということに気づいてほしい。

その屈折した表現方法が自傷行為という形になってしまったのだと思います。

閉鎖病棟に入院中、同じく自傷行為をしている子が私に

「そうだよね、気づいてほしいんだよね。」

と言っていました。

「誰かの気を惹くために」行われるアピール的な行動とみられることも多いが、実際のところはそのようなエビデンスは存在せず、むしろ96%以上の人間は自傷を一人きりで行い、誰にも告白せず、ストレスもろとも一人で抱え込むことが多いと指摘されている。

参照:Wikipedia

上記のことが一般的に言われているそうですが、私は「アピール」が自傷行為の動機になっている場合も少なからずあると思っています。

そしてリストカットは必ずしも自殺したいがために行うものではないともいえます。

もしリストカットをしてしまったら

リストカットによる傷跡は現代の医療では完全に消すことができません。

リストカットはやらないに越したことはないですが、もししてしまった場合はすぐに処置をしましょう。場合によっては命に関わる危険性があります。

傷跡の処置方法

深い傷の場合、すぐに病院へ行きましょう。

浅い傷の場合は時間が経てば流血は止まりますので、周りを血液で汚さないよう、水道に移動したり、ごみ箱などを利用したりしてある程度流血が収まるまで様子を見ます。

ある程度落ち着いたら清潔なガーゼなどで傷跡を抑えるなどして止血をします。

少し乾かして傷口の状態が収まったら塗り薬(軟膏・ワセリンなど)を塗布します。

(私は以前は流血が収まったらそのまま放置していましたが、塗り薬などを塗ることによって傷の治りが早まったり、傷跡の残りが薄くなったりします)

周りの人はどう対応すればいいの?

もし身近な人がリストカットをしていた場合、どう対応してよいか分かりませんよね。

一概に正解はないと思います。

人によっては話を聞いてほしい人もいるかもしれませんし、何も触れられたくないという人もいるでしょう。

私は初めて姉に傷跡を見られたときに「気持ち悪い!あっちへいけ!」と言われました。

今となってはとても親身になって協力的になってくれる姉ですが、病気のこともリストカットのことも何も知らない当時の姉からしたら私の行動は考え難く、受け入れられないものだったでしょう。

しかし、この対応は傷ついてしまいます。

また、私は父親にリストカットをやめることを懇願されましたが、なかなかやめられませんでした。

父親の気持ちは十分ありがたいものだと分かりつつも、当時、強烈な精神的苦痛を発散させる方法がリストカットなどの自傷行為でしか分からず、私自身も混乱しており、どうしようもありませんでした。

もしリストカットをしてしまっても、その人を責めることはせず、動揺せず冷静に対応することがリストカットを行う人にとっても、周りの人にとっても一番無難だと思います。

基本的に一歩距離を置いて、あたたかく見守るというのがベターなのかと思います。

「応援してくれる、見守ってくれている」という気持ちは少なからずとも本人に伝わっているはずです。

リストカットをやめるには

リストカットが常習化してしまうとなかなかやめられなくなってきます。

リストカットによる何らかの脳内物質の神経作用が依存性を高めてしまう一面もあるようです。

もし、精神的な疾患を抱えていたら、そちらの治療を優先的に行ってください。

リストカットは、本人の意志でやめようとしない限りやめられません。

病状が安定してくるとともに現実をきちんと正常にとらえることができるようになり、前向きに人生を生きようと自発的にやめられることが理想的な形だと思います。

実際に私も症状が落ち着いて、リストカットから徐々に離れることができました。

焦らずゆっくりでいいんです。少しずつ克服していきましょう。

まとめ

以上がリストカットについてでした。

私はリストカットについては「責めない」ということが大切だと思っています。

リストカットがやめられない自分を「責めない」

リストカットをしている人を「責めない」

リストカットの原因となる心の問題が緩和されると同時にリストカットからも徐々に離れていけると思います。

まずは治療に専念し、焦らず少しずつ克服できるといいですね。

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