精神障害者保健福祉手帳についてご存じでしょうか。
「障害者手帳」とも呼ばれています。
精神障害者福祉手帳を取得すると、さまざまな公的支援を受けることができるようになります。
手帳を取得できる条件に値する人は、私は取得することをお勧めします。
精神障害者保健福祉手帳とは
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。
厚生労働省
精神障害者保健福祉手帳を取得できる対象は？
何らかの精神障害（てんかん、発達障害などを含みます）により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。 対象となるのは全ての精神障害で、次のようなものが含まれます。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害（自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等）
- そのほかの精神疾患（ストレス関連障害等）
ただし、知的障害があり、上記の精神障害がない方については、療育手帳制度があるため、手帳の対象とはなりません。（発達障害と知的障害を両方有する場合は、両方の手帳を受けることができます。）
また、手帳を受けるためには、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要になります。
精神障害者福祉保健手帳の等級は？
| 1級 | 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
|---|---|
| 2級 | 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
| 3級 | 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの |
精神障害者福祉手帳を取得するメリットとは？
メリット１ さまざまな公的サービスを受けることができる
NHK受信料の減免
税金の控除・減免
公共料金等の割引
所得税、住民税の控除
相続税の控除
自動車税・自動車取得税の軽減（手帳1級の方）
その他
生活福祉資金の貸付
手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
障害者職場適応訓練の実施
公共料金等の割引
鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
携帯電話料金の割引
上下水道料金の割引
心身障害者医療費助成
公共施設の入場料等の割引
手当の支給など
福祉手当
通所交通費の助成
軽自動車税の減免
その他
公営住宅の優先入居
以上のように税金が減額されたり、当事者でなくとも、手帳を取得している人を扶養している場合でも税金が減額されることがあります。
また、公共料金が減額される実際にあった具体例として、水族館や科学館や動物園などが無料で入場することができました。さらに施設によっては介護者１名まで無料に該当するところもあるので、本人と同伴者１名まで無料で入場することができました。
メリット２ 障害者雇用での就職・転職活動ができる。またそのサポートを受けられる。
障害者雇用促進法に基づき、４５．５人以上の従業員数を雇っている一般事業主は、従業員数の２．２％以上、障害者の労働者を雇用しなければなりません。
この雇用率を達成していなければ、事業主は障害者雇用納付金を納付する必要があり、その基準を満たしていれば国から障害者雇用調整金が支給されます。
この雇用率は年々少しずつ上昇しており、障害者雇用での就職の可能性は広がっています。
ハローワークでも障害者雇用の専用窓口が設けられており、障害者雇用専用の求人があるため、一般求人だけでなく応募の選択肢が広がります。
障害者雇用での就職活動が可能な人とは、身体・知的・精神障害者の手帳を取得している人すべてに該当します。
以前までは身体障害者の採用率が高く、今でも企業によっては身体障害者しか採用しないというところもあります。
しかし近年では精神障害者の採用率が上がっているようです。
また、
メリット１でもあげた「障害者職場適応訓練の実施」ですが、手帳を取得していることによってさまざまな就職支援を受けることができるようになります。
- 就労移行支援所の利用
- 就労継続支援A型・B型の利用
- 就労定着支援の利用
上記に挙げたものは、障害者のための就職活動を支援してくれるものです。
就職前の訓練、就職活動、就職後の支援までサポートしていただけます。
条件によってはこれらの支援を利用するのに料金が発生する場合もありますが、私の場合はすべて無料でこれらの支援を受けることができました。
これらについてはまた別記事で詳しくご紹介します。
精神障害者福祉手帳を取得するデメリットは？
手帳を取得してから今までデメリットは感じたことはありません。
それよりも得られる恩恵の方が大きく感じます。
デメリットと言えることがあるとするならば、「人の価値観」でしょうか。
まだまだ世間には障害者に対する偏見はあると思います。
障害者手帳を持っていると知ると中にはびっくりされる方もいらっしゃると思います。
私も病気を患ってから精神疾患のこと、障害者について調べて勉強し、多くのことを初めて知りましたので仕方のないことだと思います。
手帳を取得していることは、理解のある人にだけ必要な場合にのみ公表すればいいので、むやみに口外しなければ、特に問題ないと思います。
まとめ
以上が精神障害者保健福祉手帳を取得するメリットになります。
私はもっと早い段階で手帳を取得し、支援を受けていればよかったと感じています。
理由は経済面でのメリットももちろんですが、支援を利用することによって「社会に参加できていること」や「自分でもできることがあるということ」が自己肯定感につながり、病気の症状の改善に大きく影響したからです。
私は症状が一番悪いときは何もできず、１日中寝込むことしかできない日々が続き、自分は家族や周りの人に迷惑をかけてばかりだと自分を責め続けていました。
統合失調症だけでなく多くの精神疾患は自身の心の状態が体調に大きく影響します。
症状が落ち着いた段階でサポートを得ながら社会活動をしたり、前向きなアクションを起こしたりできたことは小さな成功体験の積み重ねでありました。
もっと早い段階でこのような支援を利用していれば、無理に学校に通い続けて自分を責め続ける日々を過ごすことなく、別の道を歩めていたかもしれません。
もちろん手帳を取得しないという選択肢もあります。
上記のようなメリットがあることをご参考に検討してみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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