私は統合失調症と診断されてから約15年病気と向き合ってきました。
現在は寛解しており、普通に日常生活を過ごすことができています。
そんな私も過去に閉鎖病棟に強制入院となってしまった過去がありました。
今回はその時の体験記、エピソードなどを詳しく書いていきたいと思います。
両親にだまされて病院に連れられ、そのまま入院へ
当時の記憶はところどころ覚えていないところもあるのですが、両親いわく、私をだまして病院に連れて行ったそうです。
高校2年生になったばかりの春、クラス替えの環境に慣れず調子を崩してしまっていました。
両親はもともと主治医から入院を検討されていたそうです。
いつもの通院だと思って病院へ行き、そのまま強制入院となりました。
持ち物は全部没収
必要最低限のもの以外は持ち込みが禁止なので、もちろん携帯電話も持ち込めませんでした。
すべて両親が家に持ち帰り、必要最低限のものを家から再び持ってきてくれました。
Aちゃんとの出会い
手続きが一通り済んで落ち着き、呆然とした状態でフロアに出たところ、
「かわいい~!」
と、とある女性に言われました。それがAちゃんとの出会いでした。
私は今までの人生でかわいいなど言われたことがなかったのでとてもびっくりしたのを覚えています。
その後Aちゃんとは仲良くなり、退院後もしばらく連絡を取っていました。
Aちゃんは私の住む地域で最も偏差値の高い高校を卒業しており、とても頭の良い方で、特に留学経験もなく学校の授業内容だけの学習で英語をすらすらしゃべり、よく洋書を読んでいました。
Aちゃんはどうやら感覚が鋭いようでした。知能が高いことに加え、耳がとてもいいのです。
本人曰く、自宅の2階にいても1階の音が聞こえる等おっしゃっていました。
入院初夜、みんなが自己紹介をしてくれた
消灯は21時だったと思います。
夕食後しばらく自由時間があるのですが、フロアで入院患者の女性のほぼ全員が集まってくれてそれぞれ自己紹介をしてくれました。
10人弱くらいの患者さんがそれぞれ自己紹介してくれて、みんなで少しお話をしました。
入院初夜、慣れない環境で緊張と不安とみなさんの優しさの嬉しさと…
私はその日、少し熱を出してしまいました(笑)
「自殺に失敗してそのまま運ばれてきた」
少しずつみなさんと接していくうちに自らのことを話してくれる人もいました。
私が入院していたところは病院の中でも比較的軽症に分類される人が多いところだったと思うのですが、それぞれのエピソードを聞くと壮絶な内容が多かったです。
「自殺に失敗してそのまま運ばれてきた」という人は少なくありませんでした。
中でもBさんは自殺企図といって何度も自殺未遂を繰り返してしまうのですが、死ねないのだと話していました。
煙草1箱まるまるお茶みたいにして飲んでしまったこともあるそうです。
「除光液だけはやめときな」
と言われたのを覚えています。
Bさんとお外で焼き鳥を食べた
入院してしばらくして医師からの許可がおりて病院の敷地内で少しの時間、外に出られることがありました。
久しぶりに外に出られることになったとき、Bさんがおいしい焼き鳥があるから一緒に食べようと誘ってくれました。
食事は基本的に病院で出される食事以外NGなのですが、面会日のみ、面会者が買ってきた物を食べるのが許可されていました。
予定を合わせて、Bさん、Bさんの旦那さん、私、母の4人でBさんの旦那さんが買ってきてくれた焼き鳥を外のベンチで食べました。
天気も良く、久しぶりの外の空気とおいしい焼き鳥に穏やかな時間を過ごせた記憶があります。
夜、叫び声が聞こえることも
21時消灯ですが、常に部屋の扉は開けたままで、看護師さんが巡回して様子を見にきます。
たまに夜中にどこからか叫び声やら唸り声が聞こえてた気がします。
しかしその当時の自分は疲弊して感覚も麻痺していたこともあり、あまり気にしないように寝ることに集中していました。
摂食障害のCさん
入院してしばらくたった頃、Cさんと出会いました。
Cさんは愛嬌があり見た目はかわいらしい子でしたが、摂食障害で緊急入院になってしまった子でした。
本人曰く検査の数値的に死んでてもおかしくなかったと医師に言われたそうです。
「ここのね、骨がすごく出てるの!」といっておそらく普通の人間では脂肪で一生触ることのないであろうお尻の部分の骨を触らせてくれました。
何度かお手紙を書いてくれて私のことを「外泊王」と名付けました。
外泊王の理由はその頃私の退院日が近づいてきており、外泊をすることが増えていたからです。
退院を懇願し続け、やっと退院へ
入院中定期的に主治医との面談があるのですが、私は早く退院したい旨を伝えていました。
主治医は「焦らずいきましょう」という姿勢で慎重に様子を見ていました。
私は退院を懇願して約1ヵ月半で退院することができたので、普通に過ごしていれば入院期間はもっと長引いていたかもしれません。
まとめ
以上が私が閉鎖病棟に入院中の体験、エピソードでした。
当時は記憶が曖昧なこともあり、上記に挙げたものはほんの一部でしかなく、比較的記憶に残っている明るいエピソードを紹介しました。
私が入院していた病棟は軽症患者が多く、一見精神疾患を患っているとはとても思えない印象の方が多かったです。
とくにトラブルが起きることもなく、みなさん親切にしてくださいました。
今は入院してた時の人とは誰とも連絡を取っていませんが、元気に過ごされていることを願っています。
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